飽和脂肪酸とは~不飽和脂肪酸との違いや、コレステロールとの関係、注意点について解説します。

油には色々な種類があり、体にとって良いもの、悪いものがあるということは、すでに知っている方も多いと思います。

飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸とよく比較される脂肪酸です。

飽和脂肪酸という言葉は耳にしたことはあるけど、「どんなものに含まれているのか知らない」、「どんな働きをするのかわからない」、という方も多いのではないでしょうか。

油は全て体に悪い物と考えてしまう人もいますが、油は脂肪酸の種類によって働きが変わるため、必ずしも全てがそうではありません。

それでは、飽和脂肪酸の働きや含まれている食品などについて管理栄養士が解説し、オススメのとり入れ方を紹介します。

飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸の構造と特徴

飽和脂肪酸は、炭素同士の二重結合を持たない脂肪酸です。

炭素鎖の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分けられます。

常温で固体であるのが特徴です。

飽和脂肪酸の種類

主な飽和脂肪酸には次のようなものがあります。

パルミチン酸

長鎖脂肪酸 炭素数16 融点63℃

ラードや牛脂に多く含まれていますが、化粧品や界面活性剤にも使用されています。

パルミチン酸からステアリン酸に変化し、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が形成されます。

このメカニズムによって、脂肪酸の融点を下げ、体内の脂肪が固体ではなく液体を保つことができるようになります。

ステアリン酸

長鎖脂肪酸 炭素数18 融点70℃

ステアリン酸は、酵素によってパルミチン酸から生成されます。

ミネラルと結びついて、石鹸や洗剤(ステアリン酸ナトリウム)として利用されたり、食品添加物や薬の材料(ステアリン酸カルシウム)としても利用されます。

ラウリン酸

中鎖脂肪酸 炭素数12 融点 44℃

無害で取り扱いがしやすいため、石鹸やシャンプーなどに多く使われています。

また、安価で保存性に優れているのも特徴です。

ミリスチン酸

長鎖脂肪酸 炭素数14 融点 54℃

ミリスチン酸ナトリウムは、気泡性が良く、シャンプーや石鹸に使われています。

その他にも、化粧品にも多く利用されており、潤滑剤、安定剤、増粘剤として役立っています。

不飽和脂肪酸(オメガ3.6.9)との違いについて

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の構造の違いは、二重結合を持っているかどうかです。

不飽和脂肪酸は二重結合を持っています。

不飽和脂肪酸の融点はとても低いため、常温では液体であることがほとんどです。

一方、飽和脂肪酸の融点は高く、常温で固体となっています。

このことから、飽和脂肪酸は体の中で固まりやすいということがわかります。

▶ もっと詳しく:オメガ3・6・9 脂肪酸って何が違うの?栄養士が教える体に良い油・悪い油と、必須脂肪酸について

飽和脂肪酸とコレステロールの関係

不飽和脂肪酸は、コレステロールを低下させる作用を持ち、飽和脂肪酸は反対にコレステロールを上げてしまうという性質があります。

血中のコレステロールが増えると、脂質異常症や動脈硬化を引き起こされます。

日本人の食事摂取基準においては、男女とも飽和脂肪酸は7%エネルギー以下となっています。

油は量ももちろん大切ですが、質も重要です。

飽和脂肪酸を摂取基準量に抑えるとともに、不飽和脂肪酸の摂取割合を増やしていくのが理想的です。

▶ もっと詳しく:体にいい油と悪い油がある?脂質や脂肪酸など油の基礎知識を知って効率よく摂ろう!

食品に含まれる飽和脂肪酸比較表

飽和脂肪酸が多く含まれる食品の、1食あたりの量と、含まれる飽和脂肪酸の量をまとめました。
食品 1食あたりの量 飽和脂肪酸量
牛肉かたロース 80g 12.19g
牛バラ肉 80g 12.43g
牛もも肉 80g 4.81g
牛乳 200ml 4.66g
豚バラ肉 80g 11.68g
豚ロース 80g 6.27g
ベーコン 40g(2枚) 5.92g
ウインナー 40g  (2本) 4.04g
バター 10g 5.05g
ラード 10g 3.92g
肉類は、飽和脂肪酸を多く含む食品ですが、同じ肉でも部位によって飽和脂肪酸の量が変わってきます。

脂身の少ないものを選んで食べると、飽和脂肪酸の摂取を抑えられます。

注意点

デメリット

飽和脂肪酸の摂りすぎることの一番のデメリットは、コレステロールが増えてしまうという点です。

飽和脂肪酸は融点が高く、常温で固体であることが殆どです。

血液の中に置き換えて考えてみても、飽和脂肪酸は固まりやすく、血液がドロドロになりやすいということになります。

メリット

飽和脂肪酸はデメリットばかりではありません。

体に悪いものというイメージがありますが、脳の働きを高めたり、酸化に強いなどのメリットがあります。

全く摂ってはいけないというわけではないので、適正範囲内に収まるようにとり入れましょう。

摂り方

コレステロールを増やす飽和脂肪酸に対し、健康に良いと言われている不飽和脂肪酸があります。

しかし、不飽和脂肪酸だけを摂れば良いというわけではなく、理想的とされている摂取比率があります。

飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3を意識して、さまざまな食品からバランスよくとり入れましょう。

まとめ

飽和脂肪酸は、肉やバターなどの動物性食品に多く含まれています。

摂りすぎるとコレステロールを増加させ、血流をドロドロにして、動脈硬化や肥満などの原因となります。

飽和脂肪酸の摂取目安は7%以下とされており、他の脂肪酸とのバランスも重要です。

コレステロールを上げるからといって、完全に食事から抜く必要はありません。

脂肪酸は種類によって、酸化のされやすさや働きが変わります。

肉や魚、植物性食品など、さまざまな食品をとり入れることを意識して、バランスよく摂っていきましょう。
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